とあるリーマンの筋肉日記

『筋肉は世界を救う』

【レースレポ】第10回石鎚山ヒルクライム~日本最強のクライマーに挑んだ夏~


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2022年9月4日に開催された、第10回石鎚山ヒルクライム

今年の年間目標のレースの1つであり、このレースの表彰台に立ちたい!と思ったのが自転車を始めたキッカケでもある特別なレース。

ここ2年間コロナに振り回されて延期が続き、スタートラインに立つことすら許されなかった。今年3年目の挑戦でようやくスタートラインに立つことができた。

 

【準備編】

前回記事で掲げた通り、目標は総合優勝。

出場者の中で最も速いであろう、2022Mt.富士ヒルクライムチャンピオン・真鍋さんにSNSで宣戦布告し、自らを奮い立たせて絶対強者に全力で挑んだ。

https://twitter.com/t_zaki_v3/status/1560237063261540359?t=NF3x9DMjLSiB-bSuf5ztfg&s=19

相手が最強なのはわかりきっていたので、少しでも気にしてくれれば、という思いと、また、強気で行くことしか突破口は作れないと思っていたこと、何よりただ彼にしがみついて行く(無理だけどw)だけでは勝負とは言えないから、全力で強気を貫き続けた。

大会は初めての出場であったが、個人的には3年目の挑戦となるため、『最初で最後』のつもりで全てをかけて準備した。筋肉のプライドを棄てて全力で身体を絞り、Trainer Roadを契約してFTPを向上させた。直前1ヶ月は減量追い込みも兼ねて自走で松山↔石鎚山試走を計3回、さらにZwiftを再契約して自分よりPWRが高い選手たちの出ているミートアップやレースに参加してパフォーマンスを高めた。

結果的に体重は、前日に糖ローディングをした上で当日朝60.8kg(平常64~65kg)で体脂肪率目測7~9%(水が抜けて腹直筋上部に血管がうっすら見えるぐらい)まで絞った。


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試走では序盤平坦ローテ、登坂区間単独で歴代最速タイムに迫るタイムで走れた。

パワーは2週間前に5分395w(6.5w/kg)、1週間前にレース形式・TTいずれも15~20分350w(5.7w/kg)ぐらいまで高めることができた。またアタックに対応すべく40秒ON(400w超え)20秒OFFインターバル6本×3等の短時間インターバルもこなせる程にはなっていた。

機材に関しては直前1~2週間で消耗品は全て交換、ホイールのフリーボディもメンテし、タイヤはGP5000CLにSOYOラテックスで軽量化&転がり抵抗軽減と確実性を高めた。車体はメーターライト類込みで7.88kg。


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作戦は往来教祖" FOCUS OJISAN"より授かった、全開で突っ込み中盤気合で耐えて最後まで踏み切ること。そしてチャンスとあらばひたすらアタックし続けること。

 

【リザルト】

四国のてっぺんクラス第2位、総合第2位

2区間合計タイム46:44(▲1:05)…把握してる限り歴代最速タイム

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第1区間 ave 332w(NP335w)

第2区間 ave 330w(NP339w)

 

区間試走よりも30秒速く、パワーも最高値を記録しており、限界以上のパフォーマンスを出すことは出来た。

それでも総合優勝は遥かに遠く、真鍋さんは手も足も出ないぐらいに強くて、悔しいを超えて感動して笑いと涙が出た。笑

 

【展開】

第1区間の平坦はパワー絶対値と空力的に私の方がアドバンテージがあると思い、ハイペースでローテを促して消耗させる予定であったが、計画以上にキレイに高校生の選手との2人逃げvs真鍋さん含む数人の展開を創り消耗させることができた。作戦大成功であった。しかし登坂区間が始まって7~8倍でペースを刻んで振り返るとすぐそこに真鍋さんが迫っていた。

多少ローテと並走はあったものの、全く緩むことなく真鍋さんがハイペースを刻んでおり正直『マジかよ…』と驚いた。真鍋さんからは笑顔で「アタックしないの〜?😊」と…。作り笑いで『いやー、まだ仕掛けるには早いでしょ😏』と返すのが精一杯。笑

その後真鍋さんがペースアップして離されたが、その時は全く着けないぐらい目一杯のペースを刻んでいたし、その後も全く緩まない真鍋さんの後ろ姿を見て唖然とする他なかった。あの場面で着かなかったことは後悔はあるが、着いたとしてもオーバーヒートしてさらに差をつけられていたと思う。踏み始めのラグによる速度差はあれど、400w近くで踏んでも差が詰まる気がしなかった。500w超で踏む必要があったと思われるが、そんな力と精神は持ってなかった。

 

第2区間は着順よりも、とにかく全力で最速で駆け抜ける以外に選択肢はなかった。どうにか真鍋さんを上手く消耗して力尽きることを願いつつ、あとはとにかくハイペースで駆け抜けること。

どうにか少しでも揺さぶりをかけるべく、試走から取り組んできた、第2区間スタートの激坂10倍アタックを決行。ダンシングで踏み抜いて追い抜きひたすら踏んだ。ダンシングを終えた直後脚はめちゃくちゃ重くて攣る寸前だったが、それでもできる限りのペースを刻んだが、後ろにはニッコリ笑顔の彼が居た😇

第1区間と同じ様な形で離されたが、とにかく見える位置で必死で追った。真鍋さんが垂れることを願ってひたすらハイペースで踏んだ。斜度がキツくなったところで少し差を詰め後ろ姿をハッキリ捉えたが、そこで真鍋さんが再度エンジン全開になってしまい、ジワリジワリと離された。

後ろ姿が見えなくなった後は心が折れかけたがとにかく最大限のペースで踏んだ。彼にアクシデントや垂れがあればまだチャンスはあると信じてひたすら耐え続けたが、ゴールまで彼がもう一度見えることはなかった。

 

 

【振り返り】

ゴール後、そして下山後、真鍋さんとお話させてもらった際に、お世辞でも楽しかったと言ってくださって本当に嬉しかった。身分不相応に生意気に挑発した私を表彰式でも立ててくださって感謝しかありません。

この数ヶ月、このレースのために全力で取り組んできて、自分自身フィジカル的にもメンタルも成長することができ、新たな学びもあった。絶対的なパワーは正義!筋肉筋肉!と減量を毛嫌いしていたが、上手く絞ればパワーをしっかり維持してパフォーマンスを向上させられることや、ホルモンバランス管理がかなり難しいこと(一時鬱になりかけたがチートデイで復活。チートデイは偉大👆)等、たくさんの発見があった。

 

反省点はオーバーヒートにビビらずに食らいつく精神が欠如していたこと。第1区間は激垂れしようがしまいが、あそこで着かないと終了だった。ズイレーでも同じ失敗を繰り返しているのにまたやってしまった。

そして機材選びの本気度。今回足回りはGP5000×ラテックスを選んだが、パンクのリスク覚悟でお金を使ってコルサスピードやGP5000TT(wiggleで売ってた)等、TTタイヤを選ぶことはできたが、それをしなかったこと。もっと言えば、本気を出せばローンでハイエンドフレームを購入することも出来なくはなかった。自身の経済状況を鑑みたら無謀な選択であるが、事実こういう意見はあると思う。フレームはさすがに厳しすぎるけど…笑

これら反省点で改善できるところは今後活かさないといけない。

 

 

【感謝】

今回の挑戦にあたり、本当にたくさんの方々に応援していただいた。応援のコメントや声掛けがトレーニングのモチベーションの1つであったし、千切れた後もゴールまで足を止めずに耐え続けられたのは応援のおかげだと思っている。本当にありがとうございました。

そして私が企画した練習会にご参加いただいた皆さま。めちゃくちゃ刺激になりました。チーム3Wのおっさ…イケオジ()の皆様は私のしょうもない減量報告やダル絡みもお相手してくださり、精神的にも助けられました。特にUmeさんは一緒にてっぺんクラスにエントリーして練習会でもバチバチやり合ってくださってめちゃくちゃ楽しかったっす。ホンマにあざした。

TEAM LUPPI関係者の方々には練習会の企画や機材メンテ、当日のサポート等、沢山支えてもらって本当に助かりました。ありがとうございました。

 

そして何より私の挑戦に全力でお相手してくださった真鍋さん。本当に強かったです。まだまだ勝負するには程遠い存在だと痛感させられました。また鍛え直して挑むので、その際はまた勝負受けてくださると幸いです。ありがとうございました。

 


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#ロードレース #ヒルクライム

#第10回石鎚山ヒルクライム